今思えば10年いや正確には11年ほど前くらいと思うのだけれど、南貴之氏が確か当時ガルシアマルケスからフリーになった高橋さんを通じて僕を訪ねて来たのが、ことの始まりだったと記憶している。あの大きな体をゆっさゆっさと揺らし、大汗をかきながら、かなり緊張した雰囲気で千駄ヶ谷店にやってきた彼は、門外不出のLW01を彼が開店するセレクトショップにおかしてほしいと。ループウィラーは卸しをしていないことを事前に知っていての懇願でした。僕は卸はしない、セールはしない、商業施設には入らない、百貨店とはお付き合いしないと、かなり面倒臭い人間だというのは業界の中ではまぁまぁ有名だったように思います。それを承知の上で、突撃して来たわけだからなかなかの輩だったのかもしれません。なぜ門前払いをしなかったのだろう?といま思っても不思議なんだけど、彼個人に人としてとても興味があったからだったのかもしれません。何が!というのは長くなるのでまたの機会にでもお話しますが、今までにないユニークなタイプで、これから何かやってくれそうなポテンシャルを感じたからだったと思います。
早いもので、今年でそんな彼の1号店(Graphpaper AOYAMA)も10周年を迎えます。この10年グラフペイパーは素晴らしい仕事を積み重ね、新しいカテゴリーをつくりあげたのだと僕は感じています。彼との仕事やクリエーションは話せば長すぎて書ききれません。今やLOOPWHEELER for Graphpaperとしての定番をつくりあげることに成功しています。そのコードナンバーAG017と呼んでいるクラシックスウェットをベースに10周年記念モデルを製作させていただきました。
「Free from Any Regulation」規制にとらわれないというメッセージのグラフィックプリントしています。南氏率いるグラフペイパーも僕たちループウィラーも規制だらけの中で、どうしたら規制を乗りこなしてゆけるのかの禅問答を繰り返しているんだと。
カラーはヘザーグレーのみ、サイズもFreeサイズのみ、販売価格は36,300円(税込)となります。3/1土曜にお店とオンラインで販売開始となります。なかなか格好良いです。
もうすでに募集は締め切っているようですが、2/28金曜の夜にGraphpaper AOYAMAにて久しぶりに南氏と僕でトークショーを開催します。今時のインスタライブをしない、いらして下さった人のみへのとてもクローズドなトークになりますが、ひょっとするとスペシャルなお話もするかもしれません。おそらく、彼とは共通の趣味である音楽やオーディオの話に脱線してしまうような気がしてなりませんが。。。運よく参加される方は、どうぞよろしくお願いします。@鈴木諭