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「世界一、正統なスウェットシャツ」を。

そんな思いから1999年にLOOPWHEELERはスタートしました。 熟練した技術を持つ職人の手によって生み出される「着心地のよい」吊り編みものだけを世界に発信しています。 それはなぜ可能になるのか。 吊り編み機と縫製の経験値豊かな職人達。 そして全ての工程に携わる人との絆から生まれる、確かな技術力と生産工場が背景にあるからです。 誇れるメイドイン・ジャパンのスウェットウェアを生産、吊り編み生地の新しい世界観を、初心のままに創り続けています。

「吊り編み機」とは

「吊り編み機」は1960年半ばまではスウェットシャツの生地を生産するにはごく一般的な編み機でした。その出来あがった生地の最大の特徴は「やわらかさ」、この言葉に集約されます。人の肌に一番近い衣服として、またトレーニングウェアとしてくり返し洗濯してもその特性が失われにくい吊り編み生地の特性は、スウェットシャツやTシャツの素材として最適でした。しかし、衣料品にも大量生産・大量消費の時代が訪れ、効率重視の生産体制が築かれる中、この吊り編み機は徐々にその姿を消してゆきます。たとえば「吊り裏毛」は1時間に1mしか編むことが出来ず、さらには職人が常時、編み機の調整を行いながらの稼動になるため、多くの工場がコンピュータ制御の最新の編み機を導入する事で、生産効率を上げていきました。

我々がめざすもの

現在吊り編み機は、日本の和歌山に約400台が存在し、そのうちの約200台が稼動しています。 熟練工の技術(編み立て、修理、整備等)を必要としながらの生産過程は、確かに非効率の極みかも知れません。ですが、ここには真っ当なものつくりの姿勢があります。何気なく毎日袖を通すスウェットシャツやTシャツ、この肌に一番近い1st.レイヤーであるアイテムの「着心地のよさ」を、素材、デザイン、パターン、縫製における ベストな行程を経て、完成させます。60年代以前に作られたスウェットシャツはヴィンテージアイテムとして時代を超えて愛されています。吊り編み機を使用したこれらの生地は長年の使用にもへこたれることなく、着続けることができます。

一つの服を着心地よく、長年にわたってその風合いを失うことなく、次の世代へ味わいを残し続けることができるということ。 そしてその為に、生産現場の背景を未来に存続させてゆくということ。 私達、LOOPWHEELERが「世界一、正統なスウェットシャツ」を目指し、歩む理由がここにあります。


Our Process

現在でも数多くの人々から愛され続けているVINTAGEスウェット。それらは1940年代後半から1960年代中盤にアメリカで作られたものです。生地が「TSURIAMIKI=吊り編み機」で作られてるから風合いが長持ちするのです。しかしこの編み機は1時間に1メートル程度しか生地を編めません。現代となっては非効率的な機械なのです。いま世に出回っている殆どのスウェットはシンカー編み機と呼ばれる大量生産向けの高速編み機によって生地が編まれています。更にアメリカではもう吊り編み機がありません。どこを探しても世界中で吊り編み機で裏毛を編めるのは日本の和歌山だけなのです。

Knitting

吊り編み機について

吊り編み機の生産効率については、これまでにLOOPWHEELERでは「1時間に1m」と解説して参りましたが、この1時間に1mとは吊り裏毛の生地の生産についての数値なのです。当然編む生地の組織によっても生産速度は変化します。ポロシャツに使われている吊り鹿の子の生地は1時間に 0.3mしか編めません。それに比べ高速のシンカー編み機では裏毛で10m以上、鹿の子では3m以上も編むことができるのです。そのため経済発展を遂げる大量生産の時代に吊り編み機、丸編み機の数は激減しました。

和歌山で生地を編む

昔は<*1>丸編み工場が軒を並べて日本一栄えた街だった和歌山。現在その和歌山で吊り裏毛が編める工場は2社しかありません。カネキチ工業株式会社と和田メリヤス株式会社です。今回は再度カネキチ工業さんに訪問しましたので、その作業の様子を拝見しながら生産の行程を解説させていただきたいと思います。 <*1>ニット編み機には大きく別けて丸編み機と平床編み機の2種類があり、吊り編み機は旧式の丸編み機の一つです。カットソー向けの生地の生産には多くの場合は丸編み機が使われるのでスウェットの生地の生産依頼の殆どは丸編み工場に出されます。 画像の吊り編み機は部品取り用として倉庫に保管される状態です。

生地を編む前に

糸を吊り編み機にかけるために紡績糸を巻き代える機械です。巻き代える際に糸の表面に薄くワックスが付着します。こうして糸の滑りを良くする事で編み立て時に生地に編み傷がでたり、糸が切れたりする所謂「編み不良」の発生を防ぎます。

編み立て現場

これが実際に生地を編んでいる現場です。既にご承知の通り吊り編み機は毎分24回転しながら生地を編んでいます。計算してみるとわかるのですが...非常にゆっくりとした回転です。糸に「余分な力=テンション」がかからず、非常に糸がリラックスした状態で生地が編まれるので、糸そのものの柔らかな風合いがそのまま生かされた生地ができるのです。 編み機の口径は幾つかのサイズに分かれています。LWスタンダードはXSからS, M, L, XLの5サイズをそれぞれの身巾に適合した口径の違う編み機で生地を編む事により、身頃に脇接ぎの無い丸胴ボディを採用しています。

天井から吊られています

吊り編み機は1本の動力から、ベルト、プーリーを介して動いています。よく見ると全ての編み機が天井から蓑虫のように吊り下げられて設置されています。「吊り下げられた編み機=吊り編み機」の由来はここから来ています。毎分24回転といいましたが、さらに重要なのは、糸が自重でのみ下がっていくこと。下からひっぱったり、余計な力をかけずに空気を含む様に編まれていく。この機械の特長がここにあるのです。

シンカー編み機

「吊り編み機」と対象的なシンカー編み機。(画像) 世界的な経済成長の中、「モノ」が必要な時代、そんな背景からできてきた編み機です。今やアメリカや日本ではもちろん、全世界で主流にある丸編み機です。吊り編み機に比べ口径が広くて高回転。おおよそ毎分240回転し1時間に10メートル以上、約10倍の生産能力の違い、作業量の違いが機械自体にあります。更にメンテナンスが楽で人手もかかりません。しかし吊り編み機の様な柔らかな生地はできません。吊り裏毛と比べると最初は柔らかく感じても洗い込んでいくと「ごわごわ」になってしまい、3年くらい着たら、風合いが大きく変わってしまいます。

牛乳瓶

この牛乳瓶の中にあるのは何でしょう? これは潤滑油なのです。牛乳瓶の上に白い布に巻かれた棒が出ていますが、浸透圧で油を少し吸って糸が通りやすいように滑りやすくして機械に入って行きます。昔から使っている機械を独自の手法で使い続ける...。カネキチさんで考えられたすばらしいアイデアだと思います。こうやって手間と人の手をかけていく...、今の時代に大切なことなのだと思います。

生機

吊り編み機で編んだ生機(きばた)です。カネキチさんでの最後の工程です。1反で約22〜23メートル。スウェットにしたら17〜18人分くらい。しかし1日で編めるのは11〜12メートル(0.5反)、8〜9人分くらいしか編めないのです。できあがった生地は、このあと染工所を経て縫製工場へ送られます。

Sewing

カットソー工場

生地の編み立ては和歌山でしたが、その生地を縫製する工場は東北地方に多くあります。昔は工場はみな東京にあったのですが、1960年代〜1970年代頃からファクトリー機能を地方に移すケースが多くなりました。新幹線などの鉄道や、高速道路網の発達で東京からの流通効率も良くなりました。画像はLOOPWHEELERの製品の縫製〜仕上げ行程の多くをお願いしている丸和繊維工業株式会社の青森縫製工場アプティマルワです。海外生産の多い昨今、日本国内の生産工場は貴重な存在になりつつあります。

裁断とプレス

長い反物状の生地を前身頃、後身頃、袖、ポケットなどそれぞれパーツ別の型紙に合わせて裁断します。布帛の生地と違いニット(メリヤス)生地はその編み組織の構造上、裁断面の端がカールして丸くなったり、縦・横比が伸縮によって変化したりしますので、一旦スチームを当てて型紙に合わせて形を整えて生地を安定させます。ギュっとプレスするのではなく、あくまで生地の安定の為のアイロンです。

付属パーツ作成

袖・身頃以外のパーツの作成です。ポケット各種、ファスナー取り付け、鳩目加工などパーツ単位でミシンや加工用具が変わります。

2本針ミシン

裁断された生地一枚一枚に、ポケット位置など付属パーツを縫製する為の位置決めのポイントを入れます。既に作っておいた付属パーツ(画像はループウィラーの特徴の一つとも言える立体ポケット)をマーキングした位置に縫い付けていきます。

縫製 - フラットシーマ

フラットシーマを使った縫製作業です。二本針ミシンでスウェットの様なカットソーのニット素材を縫製する場合、一般的には生地の端がほつれない様にオーバーロックミシンでかがってから生地同士を縫い合わせます。表側の縫製箇所はスッキリと見えますが、裏側では縫い代の重なりがステッチの中で膨らんでしまいます。フラットシーマの場合はこの縫い代にロックを掛けずに、生地同士を最小限の幅で上下に重ねて4本針で平らに縫い合わせるので、ゴロつきがなく着用感の向上に繋がります。しかし作業速度が他のミシンに比べて遅いので、現代においては希少な存在となりました。ループウィラーの商品には適所にフラットシーマが使われています。

仕上げ

全ての縫製を終えると仕上げに入ります。糸始末など細かい縫製のチェックです。

仕上げ - プレス

仕上げのアイロンがけです。スチームをあててしわを伸ばし、形を整えます。

完成

そして完成。この後、下げ札が付けられ袋詰めされて出荷されます。


LW Team

Knitting

カネキチ工業株式会社

世界的に希少な吊り編み機を設備する工場2社の内の1つがこのカネキチ工業株式会社です。1920年より和歌山市に工場を構える老舗で、職人の熟練した技術が代々受け継がれています。吊り編み機は現代のデジタル制御の高速で生地を編む高性能編み機に比べて単純な構造故にきわめて調整が難しく、最良の風合いに生地を編むには長年の経験で培った技術を必要とします。LOOPWHEELERの製品の風合いと着心地の良さには、細部にわたってその職人技が生きています。

 

Sewing

丸和繊維工業株式会社

技術、規模共に日本ではトップクラスの縫製工場がこの丸和繊維工業株式会社です。東京都墨田区に本社を構え製品の製造ラインは青森市にあります。 LOOPWHEELERの製品は、和歌山で吊り編み機により生地が編まれ、青森工場(アプティマルワ)で裁断・縫製されて商品として出荷されます。一部の特殊な縫製技術を必要とする商品は東京本社の開発室で生産されることもあります。糸の紡績から製品の仕上げ迄のそのすべてが日本国内で完結しています。