1年ほど前から開発していました新素材が出来上がりました。海島綿のひとつでありますアメリカン・シーアイランドコットン吊り裏毛がデビューします。最高級コットンとして知られる「シーアイランドコットン」(海島綿)学術名:ゴシピウム バルバデンセ種ですが、カリブ海諸国の生産から現在では西印度諸島とアメリカ合衆国の二つの産地で生産されるのが主流となっています。僕たちループウィラーは、比較的安定的な供給が望めるUS COTTON TRUST PROTOCOLの基準にそって栽培されているアメリカン・シーアイランドコットンを使用して吊り編み機で編むことにしました。同基準とは、6つのサステナビリティ(水の使用、エネルギーの使用、温室効果ガスの排出量、土壌保全、土壌炭素、土地利用)に基づいて構築されており、サプライチェーンの透明性を提供する世界初の綿花事業プログラムです。2015年までの35年間でアメリカにおける綿花栽培は水使用79%、温室効果ガス40%を削減するなど環境負荷を大きく低減したようです。さらに2025年までの10年間の目標として、水使用量18%、温室効果ガス排出39%削減などの目標を立てているようですのでアメリカン・シーアイランドコットンは、人と環境に優しいコットンと言えるのではないでしょうか。
表糸、中糸、裏糸に全てアメリカン・シーアイランドコットンを使用した吊り裏毛も試編みをしましたが、今回は表糸に60/2アメリカン・シーアイランドコットン、中糸も同様に60/2アメリカン・シーアイランドコットン、そして裏糸にはファノンという10番単糸の無撚糸を組み合わせることにしました。さらに100年起毛で取り組みをしている豊染工さんにお願いして染色後に彼らの得意な蒸気式タンブラーで乾燥をしてもらうというかなり凝った方法の最終工程をとって仕上げています。なんとも言えない肌触りと光沢としなやかさを兼ねそなえた吊り裏毛になったかなと思います。製品の説明は次に続きます。@鈴木諭